東福寺 at 京都国立博物館

秋晴れ最高の18日(水)、京博で催されている『東福寺』展を拝見した。臨済宗の東福寺については、紅葉の名所通天橋を知るのみで、「東大寺」と「興福寺」から一字ずつとって名付けたことも含め知りませんでした。開祖は宋で修行した円爾、13世紀創建の大寺院(…

抽象と現実: ポール・ストランドの写真を中心に at 京近美

京近美のギルバートコレクションは、1986年に京セラが購入したシカゴ在住のギルバート夫妻による世界屈指の写真コレクション1050余点が寄贈されたもので、20世紀初頭の写真作品の充実で特に知られている。久しぶりにポール・ストランド、アルフレッド・ステ…

チョウの軌跡──長谷川三郎のイリュージョン at 京近美

友人から頂戴した厚手用紙に蝶の軌跡を連想させる穴が空いたチラシが気になって京近美の展覧会を拝見した(10月5日〜12月17日迄)。「『みる』ことを中心としてきた美術教育のあり方を問い直し『さわる』、『きく』などの感覚を使う」試み。「長谷川三郎の抽象…

北脇昇とジョアン・ミロ at 京都国立近代美術館 四階

● 日本洋画の「前衛」の頃 北脇昇『秋の驚異』1937年頃 油彩・麻布 (1995年度購入) --- 美術館で好きな作品を気楽に観るのが一番です。京近美の常設展示コレクション展示は10月1日(日)まで。 ● 西洋近代美術作品選 壁面: ポール・エリュアール著『如何なる試…

林哲夫&中村鱗 二人展「肖像譚」at 午睡書架

吉田神楽岡の午睡書架で、林画伯と中村画伯の二人展が催されている(10月9日迄・火水定休) → https://gosuishoka.blogspot.com/2023/09/20230909sat-1009mon-open1200-1900.html --- 林哲夫 上段『皇帝コモデス』 2023年 『R/V』 2023年--- 中村鱗 上段『船…

『走泥社再考』 at 京都国立近代美術館

● 先日、表題の展覧会を拝見したので会場の様子をアップしておきたい。「美術館でブラパチBis」ですね。会期は9月24日(日)まで京都・五条坂周辺の焼き物屋さんから始まった走泥社は、前衛陶芸の運動として八木一夫や鈴木治の仕事で知られる。バタ臭いけど若…

『親鸞 生涯と名宝』展 at 京都国立博物館

忙しくしていたので、門徒でありながら親鸞さんの展覧会報告が会期後となってしまった(最終21日)、反省しています。観覧した日は雨降りだったが、信者さんが観光バスを仕立てて来られている様子で館内は多くの団体さんに溢れていた。名古屋時代を思い出しつ…

『グレート・ウォール 1963-1970 開廊時の作家の表現』展 at ギャラリー16

--- 先日、ギャラリー16で京近美と連動するような展覧会のチラシ(時代の風を感じる)を頂戴した。美術館より半年程早く開廊した現代美術に特化した「場」は「作家からの熱気を受けて」のスタートだったという。6月13日から7月2日の会期で催される今回の展示は…

北井一夫『ドイツ表現派紀行』展 at ツァイト・フォト 国立

北井一夫さんの展覧会が今日からスタート(6月24日迄)、イベントもあるそうです。参加したいですね。

『Re: スタートライン 1963-1970/2023』展 カタログ

30.5 × 19.5 × 2.3 cm 265pp 「開館60周年記念 Re: スタートライン 1963-1970/2023 現代美術の動向展シリーズにみる美術館とアーティストの共感関係」 編集: 牧口千夏 調査・編集協力: 宮田有香 翻訳: クリストファー・スティヴンズ ブックデザイン: 西岡勉 …

『Re: スタートライン 1963-1970/2023』展 at 京都国立近代美術館

京近美で興味深い展覧会が催されている。これは、1960年代の美術(当時の現代美術)が見直され、社会や文化の状況へ正しく(?)置き直そうとする、近年のトレンドの一つと思う。『現代美術の動向』展(1963年〜1970年)を開催してきた国立館の矜持は、見ごたえの…

『ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない』など at 京都国立近代美術館・四階

令和5年度 第1回コレクション展は7月9日(日)まで

小池貴之写真展 『Домой (ダモイ) ── シベリア鉄道』at 京都芸術センターギャラリー南

やっと小池貴之さんの写真を拝見した(5月14日迄)。彼はリーフに「この展示が始まる頃には戦争が終結していてほしかった」と書いているけど、現実は厳しい。その背景があってのキャプションと映像の繋がりがなんとも味わい深く、わたしも含め銀塩写真の魅力が…

「前衛」写真の精神: なんでもないものの変容 at 千葉市美術館

4月8日から始まった興味深い展覧会の作品リスト(作品577、資料157) ── 送っていただいた(深感) ── をみていると、作品保護の為か写真については前期・後期と別けた大幅な展示替えが行われる模様で複数回の訪問が前提。コレクター気質の小生などは中心作家の…

『植田正治 写真展』 at 京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク 2F

●ときの忘れもののブログにパネル張りのオリジナル写真が紹介されているが、今日は写真家・植田正治の誕生日。生誕100年にあたるという。京都岡崎・神宮道にある京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスクの二階でも植田の展覧会が催されている(4月2日(日)迄)…

ジャコメッティ

● 『ピカソとその時代展』 at 国立国際美術館 『ヴェネツィアの女 IV』ブロンズ 1956年 --- ● ジャコメッティは彫刻と絵画において、自分の目に見えるままの人間を表すという課題を追求し、脆さを抱えながらも空間の中で確かな存在感を持つ人間像を生み出し…

マティス

● 『ピカソとその時代展』 at 国立国際美術館 『雑誌「ヴェルブ」第4巻13号の表紙図案』切り紙 1943年 ● ベルクグリューンが晩年に収集したマティス作品には、静と動、あるいは安息と活力という対照的な性質が表れている。1940年代以降にマティスの制作の中…

クレー

● 『ピカソとその時代展』 at 国立国際美術館 左から『朱色のアクセントのある方形の抽象的な色彩調和』油彩、水彩他 1924年、『平面の建築』水彩、鉛筆他 1923年 --- 「バウハウス時代を中心としたクレーの絵画34点」招来。「ベルクグリューンは1936年にド…

ピカソ-2

● 『ピカソとその時代展』 at 国立国際美術館 左から『ギターと新聞』油彩・砂 1916年、『グラス、花束、ギター、瓶のある静物』油彩 1919年、『青いギターのある静物』油彩 1924年 『アプサントのグラス』着彩されたブロンズと銀メッキのスプーン 1914年 左…

ピカソ

● 『ピカソとその時代展』 at 国立国際美術館 左から 『座るアルルカン』水彩 1905年、『ジャウメ・サバルテスの肖像』油彩 1904年 --- ハインツ・ベルクグリューンがピカソと知り合ったのは1950年、詩人トリスタン・ツァラの紹介だったという。 左から 『女…

セザンヌ、ピカソ、マティス

● 『ピカソとその時代展』 at 国立国際美術館 会場最初のコーナーにベルクグリューンの洒落た縦長カタログが並んでいる。これはオリジナルのリトグラフやポショワールなどを用いた優れもの。プライスリストを付し世界中の顧客に送って注文をとっていたのです…

『ピカソとその時代』展 at 国立国際美術館・大阪 2月4日(土)〜5月21日(日)

小生、1970年代にベルクグリューンの店から版画を購入。氏には『最高の顧客は私自身』という著書もあるので注目してきた。従来から極東の地にやってくる「巨匠が並ぶ触れ込み」の展覧会では名前負けの作品ばかりが多いけど(がっかりする)、今展は違います。…

『竹田雅弘 フォトカード展』at ギャラリーマロニエ

「質より量への誘いが最も危険なことだ」(シモーヌ・ヴェイユ)と、いつも魅力的な引用で強化されたフォトカードを送ってれる西宮の竹田さんが、個展を催されている(3月5日迄)。 --- 展覧会参加への誘いがあったので、「この肉体がどこにあろうとも、精神は自…

占領期カラー写真を読む

出版案内状 14.8 × 10 cm --- 京都文化博物館2階総合展示室で『続・戦後京都の「色」はアメリカにあった!』展開催中 4月2日(日)迄 リーフレット 29.6 × 21 cm 4pp. --- 「展示する写真は、リバーサルフィルムをスキャナーでデジタル化し、色彩補正、ゴミ修…

松田幹也『Slow Comfortable Screw』at MORI YU GALLERY

友人に誘われ冷泉通りのMORI YU GALLERYで松田幹也さんの個展「Slow Comfortable Screw」を拝見した(26日まで)。哲学的でエロティックな螺子をドライバーで捩じ込む饒舌な作家、長くニューヨークで活動され、日本では初個展という。作者によるとScrewはスラ…

『エンタイヤ』228.6cm

『The 27th KYOTO / HOW are you PHOTOGRAPHY?』展は昨日(25日)、PHOTO PARTY [PHOTO NOEL]を経て無事終了。ご高覧いただいた皆様、出品された皆様、運営に携わってくださった皆様、本当に有難うございました。 --- 今回は各自の会場壁面を2メートル(京都写…

マロニエ 作品搬出

青野友明 『抽斗の恋』 --- 朝賀よる --- 『The 27th KYOTO / HOW are you PHOTOGRAPHY?』後期 無事終了いたしました。小生、刺激を沢山いただいて、来年は、どんな作品にしようかしら。この後、一品持ち寄りによる「PHOTO PARTY」に突入…… ですが、小生、諸…

『エンタイヤ』-5 BIELLA ─Palazzo Ronco

BIELLA ─Palazzo Ronco July 25, 1930 ビエッラはアルプスのふもとにある織物工業の中心都市。ミラノの西、 トリノの北東に位置する。公園に面して建つロンコ邸はトリノの建築家ゴッタルド・グッソーニ設計、1925年竣工。2本のクレネル塔に囲まれた外観はル…

『エンタイヤ』-4 Musée de Cluny

Musée de Cluny 278 ─ METAL. ─Ceinture de Chasteté (époque des Croisades). ND. Phot. 金属製貞操帯(十字軍時代) パリ5区、クリュニー美術館蔵 開閉部象牙、自在鉤によるサイズ調整、ビロード覆い、鍵付き 整理番号6598。結婚式の夜に花嫁の帯を解く花婿…

『ドグラ・マグラ〜円環する時間』at 羊歯斎文庫

夢野久作が著した幻魔怪奇探偵小説『ドグラ・マグラ』の世界が、昨年の東京に引き続き、ヴァージョンを変え、京都で催されている。10年あまりの歳月をかけて構想がねられ、複雑で、容易には理解できない(必要があるとして)書物世界が、見事にビジュアル化さ…